週刊金曜日の盗用問題について

株式会社週刊金曜日が発行する『週刊金曜日』2017年2月17日号及び単行本『検証 産経新聞報道』(同年7月刊)において、日本報道検証機構の検証記事を盗用し、あたかも自ら取材、調査したかのような記事が掲載されました。当機構がこの問題を同社に指摘し、対応を求めていたところ、このたび『週刊金曜日』同年11月17日号の最終ページに〈お詫び〉記事が掲載されました(写真)。これに関連して、単行本の増刷版に当機構の記事を参照した旨追記し、担当した成澤宗男氏、デスクら3名をいずれも「厳重注意処分」とする方針を決めたとのことです。

本件に関する当機構の見解は、以下のとおりです。

「現代ジャーナリズム事典」(三省堂、2014年)は「剽窃・盗用」について、次のように解説しています。

報道の世界においては、他のメディアや記者がすでに伝えた内容を、断ることなく自分が取材したニュースとして報じてしまうこと。つまり、引用したことや参照したことを明記せず、あたかも自分が取材したり、自分が独自に論考したりしたかのように装って報じることを指す。記者としてのモラルに反するだけでなく、著作権を侵害し、読者も騙したことになる。

盗用は、捏造と並んでジャーナリズムにおいて絶対に許されない不正行為であることは言うまでもありません。過去の盗用事件の多くは、解雇や休職など重い懲戒処分の対象となっています。

当機構が外部の弁護士に相談したところ、本件事案は、引用等の許諾なく利用してよい場合に当たらず、依拠性(既存の他人の著作物を利用して創作したこと)及び類似性(作品の本質である表現の特徴が似ていること)のいずれの要件も充足するため、著作権侵害に当たるとの見解を得ております。

そのため、当機構は週刊金曜日に対し、メディアとして事案の重大性に見合う然るべき対応を求めてきました。今般ようやく〈お詫び〉記事が掲載されましたが、原因や再発防止策が明確でなく(同誌は過去にも盗用事件を起こしています)、ウェブサイト上でも何ら説明していません。増刷版で引用先を追記したとのことですが、問題を指摘してから3ヶ月以上たった現在も、初版本が一般書店で販売されています。成澤氏から謝罪はなく、これまで通り同誌の常連執筆者となっています。これらの対応をみるとメディアとしての責任を果たしたとは到底言えず、誠に遺憾であります。当機構の今後の対応につきましては検討中です。

なお、当機構の記事を盗用して作成された同誌の記事や単行本は、「捏造記事一覧」と銘打っていますが、そこで取り上げられた事案に関して当機構は一度も「捏造」との表現を用いたことはなく、かつ、そのように認定したこともないことを申し添えておきます。

一般社団法人日本報道検証機構
代表理事 楊井 人文